第523話 禁断の生物学
「・・・という訳で、巨大チョウザメや魔蛸を再生してほしいにゃ。」
「却下。」
宮殿の応接間で、ナキがジョルジュに頭を下げたが、あっけなく即答。
「あのね。
「不死の法」は、意味なく使うモンじゃないんだよ。
いいかい?
僕が「ワル」だったころだって、必要だから使っていたんであって、今でも必要だからあるいはどうしてもというときだけ使う。」
「・・・にゃ・・・」
「まあ、かつての地球でもインド象の上位種・マンモス象を同様に蘇らせようとした話は聞いたわ。
恐竜を蘇らせたよいう映画もある。
一度やると、歯止めが効かないのよ。」
まったく、ナキになんでこんな話をせにゃならん。
「そうにゃ。
ファクトリアのいたずらと訳が違うにゃ。
いいかげんにしないと、アリシアさんにチクるにゃ。」
「!!!」
リケちゃんの言葉に、「石化」するナキ。
「「玉ねぎ」はツラかったにゃ・・・
母ちゃんのことだから次は「なくなるまで皮を剥け」なんて言うかもしれないにゃ・・・」
思い出して、身震いするナキ。
「・・・・・・」
あれ?
アルナスが黙ってるな・・・
「さんざん変な生き物作ってたからな私は・・・」
「君はいいよ。
生態系に影響を与えたわけでなし、人に迷惑かけたわけでなし。」
ジョルジュが、アルナスの肩をたたいた。




