第50話 姫、使節団接待期間のプライベート
ソフィには、興味があった。
あまりにも、「猫」なキティルハルムの民に・・・
何度か交流をしていて、わかったこともある。
「身体能力は、猫そのもの。」
「魔法力は、獣人族では極めて高い。(交雑種を除く。)」
「他の獣人族と、発祥が違う。」
「好奇心旺盛である。」
「恋愛関係のトラブルや犯罪に対し、潔癖で、早期の婚姻や縁組をし、件数を他の種族より抑えている。」
「非常に多産。一度に一子だが、平均すると一人につき五~十人くらい。」
「う~む・・・」
ソフィは、パスキールの門内仮設宿舎内の、「キティルハルム房」に足を進めた。
「にゃあああッ!ハンスぅ~寂しかったにゃあああッ!」
「ごめんごめん・・・義母上からようやくお許しをもらったんでね・・・」
「今日は、しっぽりするにゃあああッ!」
こ・・・これは・・・
三毛猫と、シベリアンリンクスの逢瀬である。
誰あろう、ナキと夫ハンスの逢引きである。
「見なかったことにしよう・・・」
それが、マナーである。
がちゃり。
「王太子ミリアム」と書かれた扉を開けるとそこには、イリアにのどをなでられ、ごろごろと声を出す、ミリアムの姿が・・・
器用に、ユニィに授乳している。
「ね・・・猫・・・」
「猫ですがなにか?」
その姿勢のままで、ミリアムが言った。
「猫」なんです。




