第502話 平和神像
評議員のローブの上に、軽鎧・・・
左手に盾を・・・
右手に槍を持ち、腰に剣を帯びた人猫の少女の像・・・
誰あろう、平和の女神リケのクリスタル像だ。
「みごとにゃ・・・」
リケちゃんは、感嘆のため息をついた。
「これで、変な作品ばっかつくらなければ、完璧なのに・・・」
「それ、言っちゃだめにゃ!
いッ!?」
そう言ったナキの耳と耳の間をかすめて、一本の包丁が飛んだ。
「な・・・
何するにゃ!
母ちゃん!」
包丁を投げたのは、アリシアだった。
包丁は、壁に刺さっていた。
「・・・・・・」
次に、まな板や玉ねぎが飛ぶ・・・
「ナキ・・・
そんな口利くのは、百年早いにゃ・・・
鰹節、千個越え・・・
一族の中でもダントツにゃ・・・」
「ま・・・
まさか・・・」
ナキは、包丁を壁から抜く。
「にゃーッ!
やっぱ、錆びてるにゃーッ!」
「にゃーははは!
わかったようだにゃ!」
私にはわかった・・・
これが、アリシアの新しい「懲罰」であることに・・・
「ナキちゃんに、無礼なことを言った罪で、この玉ねぎを、「光速」でみじん切りにすることを命じるにゃ!」
「ムリにゃ!」
「わかってるにゃ。
結果、「高速」でもいいにゃ~・・・」
お・・・怖ろしい・・・
「目がしみるにゃ・・・」
「じゃなきゃ、罰にならんにゃ。」
「ひ~ん・・・!」
これから、一時間ナキは「泣き」をいれられることとなった・・・
「怖ろしいことをするわね、アリシア・・・」
「このバカ娘は、次期商工ギルドマスターにゃ。
アホやって、痛い目をみるのはこれからにゃ。」
すでに見ているような気がする・・・




