第496話 偉人の過去
「まったく・・・
この世界でも、ゴシップか・・・」
アルナスが、女性週刊誌に目を通してぼやいた。
「何が書いてあるのコレ?」
ジョルジュが尋ねた。
「私の不倫疑惑だ。」
「はっ!?」
ジョルジュの目が丸くなる。
「にゃーははは!」
ナキが、爆笑する。
「この人に「不倫疑惑」!?
すばらしいギャクにゃ!
ありえないにゃ!」
ちなみに、ナキは「ド○えもん猫バージョン着ぐるみパジャマ」を着ている。
「ま、ライテスだった頃は「仮面夫婦」なんていわれたから、夫婦で「仮面」をつけて出掛けたんだが。」
「確か、王様の妹が奥さんでしたね。」
「そう。
愛し合っていたというより、仲のいい子弟といったところだった。
事実、彼女は私と同じ「転生者」だったからな。
さらに、亭主は結婚後に前世で私の「妻」だったと言った。」
「えっ!?
確か、エリナーゼ夫人・・・」
私は、仰天した。
「通りで、好みを知っているはずだわ・・・」
「もともと、「ライテス」は初めて「エリー姫」が目にした「人間」だった。
それで懐かれ、「許婚」にされたが、彼女が右も左もわからない「異世界」の指南役となった。」
「なるほどね・・・
「友情」や「師弟愛」から始まる結婚もあるんだ・・・」
「まあね。」
それで、「仮面夫婦」なんて言われたらたまったもんでもないだろう・・・
「それで、屋敷の周りをうろついていたパパラッチを仮面姿で二人して捕まえて、大衆の前で晒し者にしてやった!」
「にゃーははは!
「仮面夫婦」と「仮面舞踏会」・・・
くだらなくておもしろいにゃ!」
ナキが、床をたたく。
「事実、子供ができたばっかりだったからな。」
アルナスが言う・・・




