第463話 彼女の遺したくなかったもの
キティルハルム王宮・・・
「あっ!
あの神波動は、神官エリナーゼ!?」
私は、声をあげた。
「・・・こうなるんじゃないかと思ったよ・・・」
ジョルジュがつぶやく。
「ご主人様を含めて、アレを移植しようなんて、正気じゃないさ・・・
いくら、女をやめていたってできない。」
リケ・サンクチュアリ・・・
「にゃっ!?」
見事な盆栽に、ハサミを入れていたリケは、突然感じた神波動に、驚く。
「神官エリナーゼ・・・
あなたの贖罪・・・
受け取ったにゃ・・・
「魂の抹消」!?
それがあなたの望みにゃ!?
だったら、せめて魂の底からも記憶情報を削除して、なんの関係もない一般人に、転生させるにゃ・・・「これで妥協」?
ツンデレさんにゃ・・・
これで、事実上あなたは「終わり」にゃ・・・
辛い人生、ご苦労様にゃ・・・」
リケは、「爆発の方角」を見る。
「まったく・・・
負う義務のない先祖の罪を負うなんて、難儀にゃ・・・
ファルスト一族といい、エリナーゼといい・・・」
アトランティア法国では・・・
「神官エリナーゼが、「殉教」しました・・・
わたしは、聖地へ向かいます。」
教皇の手には、記録装置があった。
「教皇・・・
それは?」
枢機卿の一人が尋ねる。
「彼女の遺伝子情報と記憶情報です。
複製ですが。
私は、彼女に頼まれたのです。
自分の死後、これを「破壊してくれ」と・・・」




