第460話 しょげる人
後日・・・
宮殿に来たアルナスは、しょげていた。
「私の居ぬ間に・・・
陛下やファクトリアばっかりずるいぞ・・・」
ジョルジュの抗体・・・
確かに、この人は興味を持っていたはずだった・・・
「でもさ・・・
君、居合わせなかったじゃん・・・」
ジョルジュが言う。
「慰めはよしてくれ・・・
私は、ここにいる誰よりも早くその有効性に気づいていたんだ・・・
そのチャンスがきたと思ったら・・・
ファクトリアに開発を任せたのはいい・・・
だが・・・
だが・・・!」
そうだった・・・
彼女は、歴史に残る総合導師だったけか・・・
「まさか君が、ライテスの頃から・・・」
「そうさ!
君はただでさえ永く生きて、なおかつハルカ博士の助手兼実験動物だった・・・
ならばと、目星をつけていたんだ・・・」
「う・・・
うーん・・・
でもさ・・・
ファクトリアの実用品ができたら、オリジナルデータを渡しますよ。
あなたなら、悪用しないでしょ・・・」
「ほ・・・
本当か!?」
なんか、オヤツをもらえると聞いた仔犬みたいだ・・・
ってか、この人は人狼の血をひいていたっけか・・・
「では、それとは別に、次は実用品の生産許可は、二番手がわが国に・・・」
さっそく、ほくほく顔で交渉に入るアルナスだった・・・




