第457話 毒は効かない!
「ふッ・・・
一撃入れたぞ!
これで・・・!」
パルパスは、勝ち誇っていた。
「僕には毒は、効かないよ。」
「へっ?」
「僕が何者か忘れたかい?
科学導師時代のご主人様につきあって、様々な毒の実験をしていたし、遺伝子・抗体レベルで強化していたんだよ。」
ジョルジュは、その尻尾をちょろりと振る。
「リシテアール三賢人の一人たる僕を暗殺すれば、リシテアールの戦力を激減できる・・・
いい着眼点だ。
しかし、ヒ素、硫化水素、高濃度二酸化炭素・・・
どれも僕を殺すに至らない。
アルカノイド系の毒も、意味がないね。
ま・・・
あえて効くとしたら・・・
放射能くらいかな?」
「ば・・・バケモノ・・・」
パルパスは、震えだした。
「それとキティルハルムの王族と軍人には、「窮鼠猫を噛む」は適用できないけど、僕は違う。」
ジョルジュは、呪文を唱え始めた。
「暗黒大爆炎!」
黒い炎が、パルパスを包んだ。
「ぐぎゃあああッ!」
「やっぱり君、大したことないね。
さすが、「怠慢勝負全勝」だけのことはある。」
「お・・・覚えてろ!」
パルパスは、姿を消す。
「くくく・・・
この毒・・・
やっぱり僕には効かなかった。
しかし、ミリアム陛下やアルナス卿に持って行ったら、いい研究サンプルだって喜ぶぞ・・・!」
ジョルジュは、にやりと笑った。




