第450話 青いバラ
リケは、庭のバラに水をやっていた。
「青いバラ・・・
いいにゃ~・・・」
赤いバラは、くどい。
黒いバラは、毒々しい。
白いバラは、白々しい・・・
そんな印象を、彼女は思っていた・・・
「花言葉「奇跡」・・・
女神のあちしにぴったりにゃ・・・」
「母さん・・・
ガラじゃないよ。」
母親そっくりの、リナリオが言う。
「地球でもなかなかできなかったといわれる、青いバラ・・・
ライテス卿が、鼻クソをほじりながらつくったような奇跡の品種にゃ。
アホな発明品が多い、ライテス卿の作品のなかでも傑作にゃ。」
「まじめにつくったものほど、アホなものが多いらしいけど・・・」
「そこが、天才たるゆえんにゃ。
ま、アリアさんやファクトリアはどうかにゃ。」
リナリオが、「げッ!?」という表情をして真っ青になる。
「アリアさんは、「蛸酢」や「アゴ出汁」を初めとして、ゲテモノをつくってるくせして美味いし・・・
ファクトリアさんの作品でまともなのは、宇宙初の「盾艦」や可変型強襲揚陸艦だし・・・」
「ま、そういうもんにゃ。」
「そこいくと、母さんは、ナキさんに比べればまともかも・・・」
すでに達観している、リナリオだった・・・




