第445話 ライテスVSライテス
アルナスは、メガネを外し、内ポケットに入れる。
「あなたは、バスタードソードか。」
「そうだ。」
アルナスとエルナスが、向き合う。
「「覇王一刀陣!」」
二人の剣が交錯する。
バシュッ!
同時に、二人の腹から出血する。
しかし、エルナスの傷のほうが深かったようだ。
だが・・・
「ぐ・・・
こ・・・
これは・・・
滲みる・・・!
ってか辛い!
まさか・・・
「マスタードソード」か!?」
どうやら、エルナスはバスタードソードに「マスタード」を塗っていたようだ。
「かつて私が「ライテス」だったころ、やりたくてもどうしてもできなかったネタをやるとは!」
回復魔法で、傷をふさぎつつ、アルナスはうめいた。
「どうだ。」
「「辛い」ぞ。」
ダッと二人は同時に床を蹴る。
「「奥義・ティアムレット・バースト!」」
「「「こ・・・これは・・・!」」」
剣に覚えがある者は、確かに見た。
互いの無数の剣筋をことごとく「打ち払って」いるのを!
この技は、高速の不可視の剣戟で相手を葬る技である。
使いようによっては、巨人の腕一本を粉みじんにできるのだが・・・
使い手は、トラルティールでも勇者クラスや騎士団長クラスが使えるかどうかの技である。
「い・・・
いや・・・
刀である分、アルナス卿がやや有利か・・・」
かつてライテスは、二本の刀を自ら打った。
ズバッ!
アルナスの逆袈裟懸けが決まった。
そう・・・
トラルティール騎士団流は、速度重視の剣術。
ゆえに刀の相性がよいのであった・・・




