第437話 闇の勇者、地の勇者
その日、ルーシャート王国騎士ファートラント・イスカンダリアは、王宮の庭園で転寝をしていた。
彼は、若くして職に就いた「闇の勇者」の家系の長だ。
ルーシャート王国軍の有する艦隊は、キティルハルムやトラルティール、邪馬台国と違ってあまり強力な艦隊ではないので、国連軍の主力艦隊に編入されている。
それを突然、一人の人猫が襲った。
「にゃッ!?」
彼の「いた」所が、五本の爪あとで抉られていた。
「危ない・・・
ミリアム陛下の助言がなかったら、やられているところだった・・・
あなたは、ただの人猫ではないな。
「現代種」は、いくら強くても「爪」はない。」
「さすが、闇の勇者ファートラント・イスカンダイアにゃ。
この大魔王ミケランジェロの襲撃をかわすとは。」
その時だった。
突然、ミケランジェロの脇腹に、するどい剣戟が走る。
「にゃッ!」
間一髪で「イナバ○アー」の姿勢でかわすミケランジェロ。
「あ・・・危ないにゃ・・・!
誰にゃ!?」
「僕ですよ。」
そこには、金髪の人狼の少年が、剣を持って立っていた。
「父が即位して忙しいってのに・・・
ラムンセン王国王太子・・・
地の勇者ダニエル・ラムンセンです。
どうですか?
「暗殺」の返り討ちは?」




