第433話 墓泥棒の真意
「奥義・覇王真空斬!」
エリザベスの放った斬撃が、パルパスの両肩を斬り飛ばした。
そのまま、彼女の姿がふっと消える。
風呂敷包みは、地面に落ちたはずだった。
が、次の瞬間に現れたエリザベスが、「それ」をしっかりと持っていた。
「鉱夫の皆様にお返ししますわ。」
それを、人犬の鉱夫に渡す。
「僕の・・・
僕の肩があああああッ!」
「フン!
「盗み」を働いたのです。
一般身分の方なら、裁判や示談で済むでしょうが・・・
我々の「敵」の大魔王ならばこれでも軽い罰ですわね。」
そのときだった。
私の情報板の着メロが流れたのは。
ちなみに、曲目は「突○ラブハート」である。
「あ・・・
もしもし・・・
あ・・・
アルナス卿?
ライテス邸で?
犯人は、正気なの!?」
驚いた・・・!
まさか、過去の人間の墓を暴こうとは・・・
ライテス卿の墓は、歴史的な価値を持つ王墓じゃないぞ!
「どしたの?」
ジョルジュが尋ねる。
「ライテス卿の遺骨が、一部盗まれたって。」
「正気か?って普通は思うね。
けど・・・
あいつらならやるね・・・
たった一度でも、「スカウト」を阻止されたんだ。」
「聞きたかったけどさ・・・
遺伝情報・・・
抜かれるとどうなる?」
「・・・・・・
崩れて、「泥」になるよ。
遺伝情報ってね。
人間の身体全てを支える、「鉄骨」なんだよ。
「構造材」を全て繋ぎとめているんだ。」
「逆もまた然りね。」
私は、パルパスの方を見た。
いない・・・
「逃げ足がはやい・・・」
「ちょっと!」
エリザベスが声をかけてきた。
「聞き捨てならない話をされていますね!
ライテス卿のお骨ですって!?
そんなもの・・・
火葬にされて、使い物になる遺伝情報なんてカスしか残っていないでしょう!」
「そうですね・・・
エリザベス卿。
でも、全て読み取って好きな情報を書き加える・・・
なんてこともできるのでは?」




