第427話 王太子アクアス
「おや・・・
ミリアム陛下。
ジョルジュ師や、ニコ師とどうなさいましたか?」
王宮の庭で、佇むエルフの貴公子。
彼が、エルフィーラ王太子・アクアス・エルフィーラだ。
「このところ、猫邪神に対してね・・・」
「ほう・・・
戦力は充実しているようで、新型艦もいくつかロールアウトしているようですが。」
アクアスは、目を細めた。
「ところがね・・・」
ジョルジュが、口を開いた。
「どうも、彼女は拠点に侵入して「直接」叩かなければならないようなんだ。
王太子には・・・
ぜひとも、「戦力」としてお願いしたい!」
すごい気迫だ。
いつもの、人を食ったような口調じゃない。
「やれやれ・・・
僕も買われたみたいですね・・・
「元」先祖たちの怨敵に頭をさげられちゃ、こっちが悪者みたいだ。
アクアスは、ため息をついた。
「ただし、条件があります。」
「条件ですか・・・?」
ニコが聞く。
「僕の初恋の相手を探すのを手伝っていただきたい。」
「「へっ!?」」
「なるほど・・・」
私は、どういうことかわかった。
「それは・・・
「彼女」と共に「戦力」になるということね?」
「ええ。
実は、エルフィーラ王家は「水の勇者」の家系・・・
勇者輩出の際は、対になる「炎の勇者」が共に行動する必要があるんです。」
「・・・「炎の勇者」の家系は、途絶えたって聞いたけど・・・」
「僕が集めた情報だと・・・
邪馬台国にいるようですけど・・・」
「まさか・・・」
「稲荷族と混血したようです。」
「・・・・・・
まさか・・・
レンちゃんが、言ってた・・・
炎を操るのが得意で、エルフが片親だっていう娘がいるって!」




