第43話 「地球人」との遭遇
突然私たち一家は、異星人との会談の間に連れてこられた。
なんだってんだ・・・
そこにいたのは、SFでよく見る艦内服の一団・・・
髪も、肌の色も様々だが・・・
「こちらにおわす方が、国連加盟国の一つ「キティルハルム」の王太子ミリアリア・キティルハルム殿下と王太子補佐官イリア閣下。王太子殿下が抱いておられるのが、第一王女のユニティア様です。」
巡洋艦艦長ジェイ・ティアムルが、紹介をする。
どうやら、私が王侯貴族で初の接触のようだ。
ならば・・・
「ご紹介に預かりました、キティルハルム王太子ミリアリア・キティルハルムです。」
右手を出す。
「私は、銀河連合軍艦隊・巡洋艦グリーシス艦長ソフィL少佐です。」
右手を握る。
彼女の背後からは、
「猫耳!」
とか、
「魔法使い!?」
とかという声が聞こえてくる。
そうです!
私が、猫耳魔法使いです。(科学者でもあるけどね。)
「では、ご不便かけたでしょう。「降下」なんて。」
「えっ!?」
「本来、この形式の船は、軌道上で修理・補給を済ませてしまうもの・・・
あいにく、リシテアールではようやく国際的に軌道エレベーターと、宇宙基地の開発に入ったところです。」
ソフィは、びっくりしている。
まさか、ここまで発展しているとは思わなかったのだろう。
「この惑星に来てから、いろいろと驚かされている。
ライテスという魔法使いにして騎士・・・そして科学者が、我々のことを予言し、そして接触に備えていたとは・・・
さらに、「神波動動力機関」システムを開発していたとは・・・」
「一つ、訂正があります。」
私は、空気中から「金剛石」を精製してみせる。
「おお~」とどよめきが走る。
「まず、神波動動力炉は、発掘したものを我々が使用可能にしたものです。
それと、
科学者にこんなことは、できますか?
無論、できないものもいますが、わかりやすく言えば、「科学理論」をもってして「錬金術」をやってのける者を「科学導師」と呼びます。
そちらの科学者も総称して科学導師と呼称させていただいていますが。」
「どのようにやっているのですか?」
「空気中の二酸化炭素を、酸素と炭素に分解。
炭素をビルの鉄骨状に組み立てます。
理論は簡単ですが、そうそうできるものではありません。」
「できねえよんなもん!魔法だろ!?」
地球人Aが、ツッコむ。
「・・・灯り!」
私は、「魔法」を使ってみる。
「こ・・・これは・・・体波動・・・」
「おや・・・外の世界では、魔法力をそう呼称するのですね。」
どうやら、私が使って見せた二種類の術の違いを理解してくれたようだ。
カルチャーギャップです。




