第410話 改名・鼠の大魔王ジョルジュ
「うーむ・・・」
王立図書館で、名前辞典を睨みつけ、うなる実験用マウス一号。
「アレックス・・・
ボツ!
かっこよすぎる・・・
フランソワ・・・
って・・・女の名前じゃないか・・・」
ぺらぺらとページをめくり・・・
そして・・・
「なんだ・・・?
この惹かれる名前は・・・
そうだ・・・
これにしよう!」
結局彼は、ジョルジュと改名した。
「せっかくだから、君はニコにしよう。」
「あッ!
先輩!
ありがとうございます!」
実験用マウス一号改め、ジョルジュは妻・実験用マウス二号にも名前を用意する。
『二号だから、「ニコ《・・》」は、安直だったかな・・・?
でも喜んでいるからいいか・・・』
ニコは、小躍りしている。
「こんなにうれしいのは、初産のとき以来です❤」
ぶッ!
「まったく君は、子育てから解放されて落ち着いたと思ったら!」
「いいじゃないですか。
リシテアール三賢人は、「全て家庭を大事にする」者だった・・・
箔がつきますよ。」
「これでも僕は、闇の魔法で国一つ焼いた奴なんだけど・・・」
そんな感じには見えない。
十代半ばで、家庭を持った少年のようだ。
ジョルジュは、白衣に真新しいネームプレートをつける。
「君にもね。」
ニコの白衣にもつけてやる。
「でも・・・
子供たちの名前・・・
どうしましょう・・・」
「・・・
どうしよう・・・」




