第409話 そんなに笑わんでも・・・
「まさか、軌道ステーションで、こんなジャンクフードがいただけるとは!
うんうまい!」
キティルハルムの門の「ミケランジェロバーガー」の支店で、リヒャルト陛下は絶賛する。
「新メニューの七面鳥のフィレバーガーです。」
「まさか!
本当に「顔」が七つある!?」
「ええ。」
目を丸くするリヒャルト陛下。
「まあ、ヤツメウナギの「八つの目」と同じく、一つの顔だけが本物で、後は身体の模様ですが。」
「ぶわははは!
な・・・
なんだそれは・・・
身体の模様であっても、本当に七つの顔がある「七面鳥」なんぞ初めて聞くぞ!」
い・・・いや・・・
七面鳥は、うまいから注文しただけなんだけど・・・
「まさか・・・
「外国」の人にツッコまれるとは・・・
それも、「王様」に・・・」
実験用マウス一号は、まだしょげかえっている。
「だから、言ったであろう。
公式に「外」と交流するあたり、「改名」の必要があると・・・」
「だって、みんなは不審がらない・・・」
「それは、あなたがすでに「歴史上の存在」となっているからだ。」
「・・・・・・?」
「いわば、「家の者」たちがあなたの名を妙だとは思わなくても、「外」の者は・・・」
リヒャルト陛下は、実験用マウス一号の顔を見て、テーブルに突っ伏す・・・
「この通りだ。」
「・・・・・・」
アルナスの言葉に憮然となる。
「しょうがない・・・
いくつか候補を考えてみるか・・・」
「それがいいわ。」
私は、そう言った。
「ご主人様からもらった名前なんだけどな・・・」
「それでも、あなたは「ご主人」から独立しているじゃない。」
「まあね・・・」




