第400話 その人は
かちり。
アルナスは、自動音楽再生機をかけ、「あ○さ二号」にセットし、日本刀「空牙」を抜く。
正眼に構え、裂帛の気合を込める。
「超変身!」
アルナスの姿が、角、鳥の翼、羽毛の生えた竜の尻尾を持った姿へと変る。
「フフ・・・
まさか、偉大なるキティルハルム初代女王の亭主と戦えるとは、光栄の至りだな。」
「しかし・・・
あなたの戦い方は破天荒だ。
ライテスの転生者殿・・・」
「気づいておられたか。
しかし、我々はもうこれ以上、人をそちらにやる訳にはいかんのでな。
そればかりか、そこの女王陛下の学友を傷つける訳にもいかない。」
ライルは、あっさりと気づいたようだ。
アルナスが、ライテスの転生者だということに・・・
ごうッ!
アルナスの刀が、炎に包まれた。
そのまま振りかぶる!
「覇王火炎閃!」
ライルは、炎の斬撃を素手で受け止め、霧散させた。
しかし、アルナスはひるまない。
彼女の刀が、なにやら稲妻をまとった黒い光に包まれる。
「覇王重斬閃!」
「ぐおッ・・・!」
これは・・・
「破壊神王・・・
破壊神帝の力を借りた、一撃・・・
重力を斬撃にしてぶつける・・・」
私は、改めて彼女のすごさがわかった・・・
「まさに、「勇者に」ふさわしき者よ・・・」
げッ・・・
この言葉は、彼女には言ってはいけない・・・!
「今度こそ、言われることはないと思っていたがな・・・
あくまで私は、勇者の「母親」なのだ!
前世でも、勇者の「父親」だった!
この言葉・・・
貴殿は「賞賛」のつもりであろうが、私にとって侮辱だ!」
アルナスは、激怒していた!




