第38話 悠久の守護杖
王宮の一室。
そこに、王族用の鍛冶工房がある。
王家は、錬金術師や科学導師、鍛冶師を多く排出・・・字・・・間違えた・・・輩出しているから、こういったことのできる設備がある。
私は、一風変った細い剣と、鞘を完成させた。
剣は、ヒヒイロカネ製・・・
鞘は、オリハルコニウム製。
特筆するべきは、剣は、柄が左右に開いて、神波動剣発振器となる。
これで、刀身が折れても、戦える。
鞘は、剣を納めると、あら不思議。
魔導師の使用する杖にしか見えない。
地球の中世期、護身用の武器として使用された「仕込み杖」と言う奴だ。
「凄いにゃ・・・」
いつの間にか、なぜかナキがいる。
「なぜ、あんたがいるのよナキ・・・」
お前は、「彫刻家」だろ・・・
「こんなところで、油売っている暇あったら、帰って修行したら?
またアリシアに怒られ・・・」
「くおら!バカ娘!
何、ミリアム様の邪魔してるにゃ!」
言ったそばから・・・
いや、言ってる途中で、アリシアが、憤怒の神波動を出しつつ現れた。
「か・・・母ちゃん・・・なんでココが・・・?」
「んなモン、あんたの未熟な神波動を追ってくれば一発にゃ!」
さすが、母親だ・・・
ごすッ!
ばきッ!
アリシアは、ナキを失神させると、その襟首を掴んだ。
「姫・・・バカ娘が、お邪魔しましたにゃ・・・」
会釈をすると、引きずっていってしまった。
まるで、「母猫」がそうするように・・・
「・・・・・・」
はッ!
そうだ・・・
この武器。
私専用の武器。
銘は、「悠久の守護杖」。
王太子の杖は、霊木でできた何代かで変わるもの・・・
だったらと思ってつくってみた。
早速、評議会に申請しに行こう!
アリシア・・・
完全に「親猫」です・・・




