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第368話 志願
「反対です陛下!
露骨に、軍事プロパガンダです!」
ファナの志願に、軍人事担当のムーン・ブルーは怒気を発散させて反対した。
ムーンは、ロシアンブルー系の人猫である。
潔癖症で、当然ミケランジェロ一族とそりが合わない。
「プロパガンダでも、プロペラでもいいにゃ!
あちしは、ばあちゃんの仇を討つにゃ!
ばあちゃんの死に様を見て、あんたはどう思ったにゃ!?
ばあちゃんの直接の死因・・・
切腹に使った刀は、内臓を貫通して脊髄をブチ抜いていたにゃ!
この戦い・・・
勝って、労働現場に私情で故意に殺人やストーカーを持ち込むバカを追放するにゃ!」
「こう言っているわ。」
「陛下・・・
短絡的なのは・・・」
しかし、ファナは反論する。
「この非国民!
リシテアールが、どうなってもいいやつのセリフにゃ!」
「・・・ッ!
辞表を・・・」
次の瞬間、私はムーンから「辞表」を奪う。
ぴッ・・・
指で弾き、軽めの火炎魔法で跡形もなく燃やす。
「私から、あなたに条件をつけます。」
「にゃッ!」
「あえて言います。
死ぬな!」
「はいにゃッ!」




