第354話 剣豪アルナス
「こんなところで、この私を取り囲むとはな。」
学会の帰宅時アルナスは、怪しい風体の人影に囲まれた。
「・・・たった三百人か。
なめられたものだ。」
先頭にいた「男?」が、右手を振り下ろす。
「!!!」
フードが落ち、あらわになったその姿は・・・
「触手獣か。
趣味のいいことで・・・」
三百ほどの、「触手獣」は一斉にアルナスに襲い掛かる。
しかし・・・
「大したことはないな。」
いつの間にか抜いた刀を、鞘に納める。
「ウチの初代である、ライテスから伝わる「居合い」だ。」
触手獣は、バラバラになっていた。
「バ・・・バカな・・・!
貴様、総合導師だろう・・・!?」
「フッ・・・
おかげで、昔は騎士学校のスカウトでうるさかったものだ。
さあ・・・
名を名乗れ!」
フードの男は、フードを下ろす。
エルフのようだ。
しかし、威厳がある。
「大魔王アラン。闇の大魔王だ。」
「バカな!」
アルナスは、目を見開いた。
「アランといえば、大帝国最後の大帝で、ティアムル家、イスカンダリア家、ヴァルシュタイン家、ライテス家の先祖ではないか!」
「この世界では、そうなるな。」
「なるほど・・・
過去の偉人を「大魔王」化して、手駒としているわけか。」
アルナスは、「空牙」を抜いた。
アルナスの刀は、「ライダー」の名前からです。




