第345話 時の掟
時空神クロノス・・・
彼は、悠久の図書館に似た杖を持っている。
「お初にお目にかかる。
混沌神族が一人、時空神クロノス。
このバカ司書の兄である。」
「バ・・・バカって・・・」
言われて落ち込む、カイロス。
「しかしだね・・・
ただごとじゃないね・・・
あなたばかりでなく、深淵の図書館の司書のカイロスまで動くとは・・・」
実験用マウス一号が、尋ねた。
「さすがだな。
あの旧超魔王の右腕だっただけのことはある。」
「はっきり言いなよ。
本来は先の戦いで、「旧超魔王」の完全敗北に終わり、リシテアールが覇者として銀河と共存発展していくはずだったって。」
「そうだ。
だが、この「世界」もまた「もう一つの本来の歴史」。
しかし・・・」
私は、ひっかかった。
「まさか・・・
あの「パスキールパレス」は・・・」
「そうだ。
初代六勇者は、逆転の可能性を喪ったため敗北しかなかった。
ゆえ、そなたらのいう「古代」で決着をつけんとした。
結果、その場で決着はつけられんかったが、こうしてその跡をひきつぐそなたらがいることで、彼らは「勝利」と言えた。」
「言えた?」
「そうだ。
「ノワールの末裔」・女王ミリアムよ。
そなたが、六勇者を取り逃がした超魔王の立場だったらどうする?」
それは・・・
「追うでしょう・・・
そして、古代の超魔王と協力して彼らを・・・」
「そうだ。
奴は、初代ノワールの姿をよりしろとして、自らを強化・・・
六勇者の開けた「時空の穴」を見つけ、彼らを追った。
しかし、所定の座標をできずに、ここへたどり着いた。
アレを放置はできん!
放っておくと、全ての時間軸と世界軸が破壊される!」
言いつつ、何かをいじっているが・・・
「まさか・・・
お手になさっているもの・・・
「時空計」とかいうんでしょうか・・・」
私は、ジト目でクロノスを見た。
「・・・そ・・・その通りだ・・・
頼むから、「ボケ」る前にツッコまんでくれ・・・」
そのときだった。
「陛下!
星系外縁を守備されていた大魔王ウォルスト様が、謎の敵と交戦し、これを撃破!
詳細なデータを提出されました!」
大変なことになるのです。




