第35話 ユニティア・キティルハルム
「だうッ!」
娘を抱き、耳をなでる。
「きゃうううッ!」
ご機嫌だ。
「う~ん・・・
名前・・・どうしよっかなァ・・・」
考える。
「そうだ!
これからは、宇宙時代!ユニバース!」
「ユニバース・・・」
イリアが呟く。
「だから、ユニティア!」
安直か?
「君は、「ユニィ」だ!」
イリアが、抱き上げる。
「だうううッ!」
ユニィは、にっこり笑った。
「姉様は、御子をお産みしたばかりです。
しっかりお休みいただきませんと。」
末っ子の第四王女ミナが、言った。
「しかし・・・
現時点では、私の「第四王女」という呼称も、なくなってしまうとなると寂しいですね。」
「何を言うの。「王立出版管理局局長」が。」
そう。
「ノワール二世の頃は、子供の一人は「母さまと呼んでいい。」と言われて、それを固辞し、「けじめだから。」と返した人もいるわよ。」
「まったく、「全方位オタク」が。」
言いつつも、ユニィを見て微笑む。
「赤ちゃんの笑顔を見て、人が笑顔になるのはね・・・」
前世で仕入れた知識から、脚色する。
「生き物の・・・
「同族」を護る本能なの。」
間違ってはいないだろう。
「でもね・・・
地球では、そんな自分で産んだ子供を愛せなかったり、殺してしまったり・・・」
「なぜですか?」
ミナが尋ねた。
「多分・・・
環境の悪化で、「その本能」が、壊れてしまったのだと思うわ。」
「環境って・・・汚染とか・・・?」
「いいえ。」
私は、首を横に振る。
「子供を育てる環境・・・家族を護る環境・・・それが壊れてしまっていたのよ・・・」
「子供が煩わしくなって・・・
というならわからくもないのですが・・・」
「そうね・・・
ただ、困ったことに、異性そのものを嫌がる傾向もあったわ・・・」
登場人物9
ユニィティア・キティルハルム
ミリアムの長女。




