第342話 不穏な影
とりあえず、有用な鉱物の分布やそれの採掘・運用が得意な国に割り振ってみる。
「妥当だね。」
と、実験用マウス一号。
「偏れば、利権争いになる。」
疲れたように返す、アルナス。
しかし、私はまったく別方向の可能性を考えていなかった。
航空宇宙局・・・
ソニアは、第十二惑星の周囲の変化に気づいていた。
「巨大な城のような、物体!?」
「CG画像で、再現します!」
錬金術師姿のオペレーターが、機器を操作する。
「こ・・・これは・・・!?
ま・・・まさか・・・
パスキール・パレス!?」
パスキール・パレスは、ちゃんとパスキール島にあり、その「門前」にホープメイカーが立っている。
衛星ナビゲートシステムにも、パスキール・パレスは「存在」している。
「そんなバカな!」
第十二惑星宙域・・・
そのパスキール・パレスの玉座の間・・・
「修正された歴史・・・
これが、超魔王が倒された世界か。
なんと醜い・・・」
そこには、黒いローブをまとった、黒猫の女性魔導師が深く腰をかけていた。
「陛下・・・
いかがいたしますかにゃ?」
「そうね・・・
まずは、様子見よミケランジェロ。」
魔導師は、控える三毛猫に応えた。




