第339話 外縁ステーション2
「現に、キティルハルム王太子ユニィティア・キティルハルムは、往復二年の歳月をかけて地球に行って戻って来ました。
しかし・・・
交流するには、時間がかかりすぎです。」
私は、総本部が置かれたホープメイカーの艦橋にて、演説をしていた。
「そこでだ。
私たちは、リシテアール・地球間の短時間往復を可能にするため、中継ステーションを合計で五つ建設したいと考えている。」
アルナスが補足した。
「まあ、言ってみれば「駅」だね。」
実験用マウス一号が、付け加える。
「どうやって「跳ぶ」のですかな?」
竜族の科学導師が訪ねる。
「ステーション側からの操作で、任意の座標に「跳び」ます。
増幅クリスタルを多数配備した転送装置によって、ワープの時間を短縮します。」
「しかし、資材はどこで調達するのだ?
リシテアールや太陽光送電衛星、第六惑星で資材の形にするとして・・・
原料の金属資源や鉱物は・・・」
ドワーフの錬金術師が、難色を示した。
「第五惑星や、第七惑星、準惑星があろう!
まったく・・・
何もない岩石だからと言って、無価値ではないぞ!
お主の脳には、「情報」と「発想」がないのか!?」
人狼の科学導師が、吠えるように発言。
「やれやれ・・・
これじゃあ、ユニィに地球旅行をまたさせてあげられないわ・・・」
私は、ため息をついた。
紛糾です。




