第324話 天文学
「さて・・・
これまでの調査報告から、天文学学会のデータを更新する必要がありますね。」
航空宇宙局は、高性能の神波動望遠鏡や太陽光送電衛星、第六惑星である「実験惑星アリュシオン」との定時通信等で、データが揃ってきている。
「うーん・・・」
困ったことに、民間の天文学者がまったくおらず、研究が進んでいない。
「宇宙航行」は発展しているのにだ。
「むむむ・・・」
ユニィがうなった。
「これじゃ、「新しい星発見!自分で行って調べる!」なんてできないの!」
「そうだにゃ・・・
姫様は、地球に「行ってきた」だけにゃ。」
ミラが意見を言う。
「そうくると思ったにゃ。」
ファクトリアが、小さな望遠鏡を取り出す。
「少なくとも、十光年先まで見えるにゃ。」
そのまま人差し指を、口許にもっていく。
「ただし、着替えや女湯を覗くのに使っちゃだめにゃ。」
「「「やらねーよ!!!」」」
全評議委員からの総ツッコミ。
「じゃあ・・・
天文学者として独立した人に、お金と施設をプレゼントして、それを元手に、民間に情報雑誌を発行する仕事をしてもらうの!
場合によっては、錬金術師や科学導師と一緒に仕事をするのもありなの!」
ユニィが、案を出した。
「科学雑誌の発行で稼げってわけね。
いいと思うわ。
なにより、キティルハルムの国民はこういうの好きだから。」
「ここに、マッドサイエンティストがいるにゃ!」
ナキが、私とファクトリアを見る。
「・・・・・・」
「あちしのどこが、マッドサイエンティストにゃ!」
「あなた・・・
科学導師のくせして、「錬金術師」を名乗ってるでしょ。
「盾艦」の開発・・・
あれは、マッドサイエンティストの思考よ。」
「にゃ・・・
ま・・・
まさかあちし・・・」
ファクトリアは、身分証明カードを取り出した。
「・・・・・・」
そこに記されたデータ・・・
・第一級準評議委員
・科学導師
・錬金術師
つまり・・・
「国家「総合導師」・・・
めんどくさいにゃーッ!」
ファクトリア:いつの間にか、認定されてたにゃーッ!
ミリアム:気付け!




