第320話 ごめんね・・・
再生された、データ・・・
その画像・・・
それ以外にも、彼女の自宅からは日記が発見された。
○月×日 またアル課長に、小言を言われた。
きつい。
でも、ここの工程は大好きだ。
そして、辛いけど耐えなきゃ・・・
○月×日 また、吐いた。
間違いない。
でも、仕事は増える。
こなさないと、アル課長に増やされる。
「はっ!貴様は「人間」じゃないにゃ!
調子が悪くなって当然・・・
よもや、「中絶」でも狙ってたかにゃ!?」
ホームズは、アルに詰め寄った。
「ち・・・違う!
フラフラになったところで、「攻勢」をかけようと・・・」
どうやら、カナ従業員が「妊娠」していた事実に気づかなかったようだ。
「じゃあ、この一文は、どう説明するにゃ!」
とはいえ、法規上は・・・
○月×日
このままでは、課長に殺される・・・
確証はないけど、夫は彼に殺された。
私もいずれ・・・
「こんなにボロボロになって「手を差しのべ」たら、払われるにゃ!」
「・・・」
○月×日
もはや、私は殺される・・・
社長や専務には、申し訳ないけど・・・
もはや、この工程は、あの男に汚されきってしまった。
ごめんね・・・
赤ちゃん・・・
あの人の残したあなたを生んであげられなくて・・・
私の都合で、勝手に連れていくことを赦してね・・・
「最低にゃ!
一人の「母親」をここまで追い込んでおいて・・・!
あんたに、陛下が言われたありがたいお言葉を教えてやるにゃ!「他人のモノを奪って、うれしいのですか?」にゃ!」
「そ・・・そんな・・・」
「そんなもバナナもないにゃ!
あんたは、社長のプランをぶっ壊しただけじゃないにゃ!
幸せな「一家」を惨殺したにゃ!」
ホームズは、記録装置を出す。
「陛下に、「当日」と、事件発生時刻の画像を、復元していただいたにゃ!
警察にも、コピーを提出済みにゃ!」
ほかにも、彼女か妊娠していた証拠が・・・
・産休・育児休暇を申請
・経過を診て退職あるいは復職
・母子手帳
これらから、綿密に出産計画を立てていたことがわかる・・・




