閑話二 異世界の稲荷神10
「突然、消えちゃうんだから、びっくりしましたよ!」
「ごめんごめん。」
抱き合い、雪尾君が、「萌ちゃん」の胸をさすっている。スケベだ。
しかし、彼女は意に介していない。
「雪尾様の座標を、ゼウス様に探っていただいたら、「未来の時間軸」にいるじゃないですか!」
「ゼウス」だって!?
「そうだったのか・・・
でも、どうやって来たの?」
そこで、「萌ちゃん」は、私を見る。
「初めまして。
稲荷町・稲荷神社の氏神の跡取り・雪尾の許嫁の秋元萌黄です。」
「キティルハルム女王ミリアリア・キティルハルムです。雪尾君には、お世話になりました。」
ナキが、怪訝そうに萌ちゃんを見る。
「いや・・・「彼氏」に胸触られて嫌じゃないにゃ?」
「どうしてですか?
気持ちいいですよ。」
ナキの質問に対して「どうしてこんなことを聞くのか?」という表情をしている。
「実はですね・・・
そちらに「悠久の図書館」ってありますよね・・・?
そこの司書の方に口利きをお願いせよと、時空神クロノス様に言われました。」
「ま・・・待て!
宇宙の根幹の神の一人・・・
ってことは、「時間魔法」か彼に頼るかというところか・・・
わかったわ・・・」
そう・・・
司書神カイロス・・・
彼もまた「時」を司っているのだ・・・
そして・・・
雪尾君は、一つの記憶装置に膨大な情報を残して、萌ちゃんと共にカイロスの手引きで帰って行った。
記憶装置・・・
これには、稲荷町のみならず、物凄い情報が記録されていた・・・




