325/3246
閑話二 異世界の稲荷神6
雪尾が、印を切る。
そして、抜いた毛にふっと息を吹きかける。
「身外身の術!行け!別人!」
毛は、二十八匹の子狐になって、「変態紳士」に襲い掛かった。
「な・・・なんだ・・・!
このウザい狐どもは!」
そして、軽く手を振る。
次の瞬間、彼の手に握られていたのは・・・
「プランスパン!?」
私は、仰天した。
まごうことなき、「フランスパン」である。
「くらえ!『腹パン』!」
どかッ!
子狐たちに押さえつけられて身動きできない「変態」の腹に、「フランスパン」を叩き込んだ。
「どうだ。
「腹なぐり専用武器」・腹パンの威力は!」
「ちょっと、むずむずしただけ。」
「うーん・・・樹脂だからなー・・・って・・・
亀裂が入ってる!
こいつの腹筋って、金属かよ!」
雪尾は、『腹パン』を消して今度は、槍のような棒を出した。
「おいしそうな焼きとうもろこしにゃ!」
子供が言う。
「なんていうの?
狐の神様!」
「残念だけどこれは作り物だよ。
『コーン棒』っていうんだ。」
リアルだ。
「「「にゃーははは!!!」」」
子供のミケランジェロ一族たちは、笑い転げる。
「ツボに入ったわね・・・」
私は、絶句した。




