閑話二 異世界の稲荷神5
「ぐ・・・
こいつ人間か!?」
ダルタニアンは戦慄した。
かつて彼は、明らかな「人外」と戦っている。
しかし、こいつは明らかに「人間」にしか見えない。
「しゃーないか・・・」
女王ミリアムが進み出た。
「ピコ丸さん・・・
これ以上はやらないというなら、見逃しましょう。
ついでに・・・」
私は、にっと笑った。
「この国の一定年齢以上の女の子は、大体すでに「相手」がいますよ。」
「なんで?」
「はい。
可能な限り、少なくともあなたのような「変態紳士」をつくらないためです。」
「ガガガガーン!」
ベートーベンの「運命」みたいな音程だ。
「それでもあなたは、「人のモノ」を横取りしますか?」
「・・・!」
駆けつけた雪尾は、ピコ丸のようすを見ている。
「我がキティルハルムは、性犯罪の一因を所定の相手がいないからだと考えました。
それゆえ、低年齢層での「婚姻前の」交渉と認めています。
学生限定ですが。」
雪尾は、こくこくとうなずいている。
「な・・・んだと・・・!」
ピコ丸の神波動が爆発した。
「コケにしやがって!」
すぐさま、雪尾が印を結んだ。
「召喚!『苔』!」
どささささ!
ピコ丸の頭上に、苔が降ってきた。
「『苔』にすんじゃねえ!」
しかし、雪尾は、尻尾の一本を抱え、毛を数え始めていた。
「ひーふーみー・・・
二十八本・・・」
それを、まとめて抜く。
R15は、自粛しております!




