第312話 アトランティア正教会
アトランティアは、教皇を頂点に、二つの組織からなっている。
宗教組織であり、十二人の枢機卿からなる「正教会」。
政治組織である、「評議会」。
その二つを統べるのが、「教皇」である。
「また、アルコン枢機卿ですか・・・」
「はい・・・」
教皇リアエーヌ四世は、げんなりしていた。
「奥方が、「タライ」を何とかしろ怒鳴る声がうるさいと近所の方々が、苦情を出している次第で・・・」
「アルコン枢機卿が、「諦めて」くだされば、話は済むのですが。」
そうなのだ。
彼は、新人のリケ神を口説き落として、「リケ教」の教皇になろうとしている。
しかし、リケ神当人は、キティルハルム王家の縁者を輿入れさせ、「大神官」に任命。
ただいま妊娠中である。
「むしろ、リケ神当人を怒らせたら、どうなるかわかっているでしょうに・・・
かつて、この国は、初代女王の怒りを買って、氷に閉ざされたのですよ・・・
いわば、「発端」の彼女は、「怒らないでいてくれて」いるのに・・・」
枢機卿ニアスは、文句を言いまくっている。
「フフ・・・
当の本人から、契約書を書かされましたよ。」
リアエーヌは、文書を取り出す。
「政治ならびに、その他の交渉にのみ、公人として相談を受けることとする。
但し、当方に対して宗教団体の立ち上げは、一切認めぬものとする。
この契約が破られた場合、神罰を下すものとする。
リシテアール守護神 リケ・ミケランジェロ」
そう書かれていた。
教皇の署名つきで・・・
これがまた・・・




