第308話 あのクソババア!
ルミナリア・アルテ・ライテス・・・
彼女は、母が作った「病原菌」を「炭素」に変える「炭素菌」の話を聞いて、腹を立てていた。
「あのクソババア!
今度は、何をつくりやがったーッ!」
「いいじゃないか・・・
義母上も、悪いものをつくった訳じゃないし・・・」
アルテの夫・ケルスがなだめる。
「なまじ役に立っているから、始末に負えないのよ!
ご先祖様と同じことやってんのよ!」
まるっきり、初代と二代目の掛け合いと同じことをやっている。
「昔なんか・・・
門柱の「右往」「左往」・・・
あれ・・・
「あ」「うん」にしようとしていたんだから!」
「阿吽の呼吸」というやつだ・・・
「ああ・・・」
人狼の夫は、耳をぴくつかせて聞く・・・
「女性の色っぽい声で、「あ・・・」「う・・・ん・・・」ってやつ・・・」
「別にいいのよ!
ウチは、こんな家系だから・・・
けど・・・」
ためて怒鳴る。
「母上は、「女」なのよ!
男だったらまだ許せるものでも、こればっかは・・・!
さすがに、品性が疑われるわ!」
「う・・・うーむ・・・」
「お方様。
大奥様が、おでかけになられました。」
レーザーパンダの隊長が、声をかけてくる。
「どこへ?」
「パスキールの、キティルハルム区だと言っておられました。」
「わかったわ。」
アルテはため息をついた。
「あの女王陛下も、よくあのクソババアと気が合うわよね・・・」
しかし、言われて喜ぶほうも大概だな・・・




