第293話 価値観3
アルナスは、メガネをくいっと上げた。
「ストーカー・・・
ケンカ・・・
この二つの共通点はなんだろうか。
ミリアム陛下・・・」
「「相手」を「知らぬ」ことです。
ストーカーだって、「相手」のことを調べ上げていることが多いですね。
しかし、そんなものは、「データ」にすぎない。
いや・・・
そうであっても、「相手」が「恋愛」自体が嫌いと知ったなら、「友達」になればいい。
ケンカをするにも、大抵の理由が「好みが合わない」「意見が合わない」です。
ならば、「合わせれば」いい。
お互いを「知れ」ば理想的ですが、まず「相手」を「知る」ことからです。」
「ま・・・
少なくとも「あの人」は、まずご主人様が「一人で過ごすことが至福。
相手にもそれを味わってもらいたい。」って考えだったのを知って欲しかったね・・・
でも、それを無視して迫れば怒るよ。」
「では・・・」
ストリアが、私を見た。
「いくつかの「性格」をデータ化・・・
対処法を、「学問」としていこうというのか!」
「そう言っている。」
アルナスが答える。
「経験だけでは、無理な話だよ。」
「いっぱしの教師ヅラをするな!」
グランシスが怒鳴った。
「ここに教師がいますよ。
「王立学校校長」「同理事長」「職場心理学研究部長・最高顧問講師」がね。
「キティルハルム女王」は、かつてヘクセンティアール初代王にこう呼ばれました。」
私は、少し溜めて言う・・・
「「学術都市の黒猫先生」とね。」
ミリアムの「教師」としての専攻は、「職場心理学」です。




