第283話 地球
プリンセス・ユニティアは、幾度目かのワープを終え、太陽系外縁までたどり着いた。
「外側の惑星を幾つか通過していくと、星と星の間隔が狭くなっていくの。」
「そうです。
この辺りは、土星圏ですね。」
「通信コードを「G」に設定。
地球本星に通信なの!」
しばらくして・・・
「時間差、十分。
首都地球・トキオシティからです。」
「母さまは、「東京」って言っていたの。
偶然だけど、邪馬台国の帝都と同じ名前なの。
繋ぐの!」
「はい!」
やがて、モニターに一人の壮年の男性の姿が大写しになる。
「リシテアール星系・リシテアール国際連合加盟国・キティルハルム王国所属・使節艦プリンセス・ユニティアなの!
航宙技術の試験と貴国の友好を兼ねてここまできたの!
後三日で、到着なので、発着ポートをお教えいただきたいの!」
「ようこそこられた。
私は、銀河連合大統領エニソン・トクガワ。
失礼だが、貴官の官姓名をお聞かせ願いたい。」
「ややッ!
これは、ご無礼したの!
キティルハルム王国王太子ユニティア・キティルハルムなの!
よしなにお願いするの!」
ユニィは、イエネコのようににっこりと微笑んだ。
「レオルよ。
報告書にあった、「キティルハルムの民は、最初の外交には王族やそれに順ずる者を使節に出す。」というのいうのは、本当だったようだな。」
大統領執務室で、通信が終わった後、エニソンは一人の女性軍人に声をかけた。
「ま・・・それで戦争をしたことすらある民ですから。
しかし、裏を返せば、それだけ相手に「信用させろ」という意思表示なのでしょう。」
「魔法科学文明か・・・
おもしろそうではあるな。」
エニソンは、窓の外のトキオシティの街並み・・・
古代に造られた電波塔・・・
トキオ・スカイツリーを眺めた。
トキオ・スカイツリー
太古に建てられた電波塔。
「東京スカイツリー」のこと。




