第269話 私は・・・「猫の女王」
「哀しみは海の中♪」
ズバシュッ!
流星雨の神波動剣が、アールヴの装甲を斬った。
その「傷口」に、目ざとく、キティルハルム艦隊の神波動閃熱砲の一斉掃射が突き刺さる。
「とても辛くて♪」
なぜだか、高揚している。
ランナーズハイという奴か・・・
「守るものがある!
私は、「猫の女王」!」
「小娘が言うことか!」
「何度でも言う!
そして、私は二度と「愛」を捨てない!
このなんだってできる世界に転生したのだから・・・!」
「貴様さえいなければ、リシテアールは滅ぼせたものを!」
危ない!
思った瞬間、リケちゃんが機体の前に立ちはだかり、呪文を唱えていた。
「偉大なるアテナよ!
護る盾を今ここに!
至高なる女神の盾!」
巨大な盾の幻視が、機体を護った。
「図に乗るんじゃないにゃ!
この古代のボウフラが!」
「亡霊よ・・・」
「いっしょにゃ!」
リケちゃんは、印を結んだ。
「裁きの吹雪!」
リケちゃんが放った吹雪は、アールヴの装甲表面を凍らせた。
ぱきんッ・・・
ぐおん!
凍って・・・
砕けて・・・
消えていく・・・
「光の法の女神と闇の法の女神の力を借りた術にゃ!
「神」に歯向かう愚か者を、凍結させ、砕き、消滅させる攻撃魔法にゃ!
初代陛下が築いた世界・・・
みんなが守った世界・・・
壊させはしないにゃ!」
歌う女王です。




