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第268話 戦場の戦慄
ヘクセンティアール艦隊では、テティス王太子がじっと戦場を見ていた。
「では・・・
歌いましょう・・・
心を込めて・・・」
人はなぜ愛を捨てるの
人はなぜ無理に愛するの
矛盾を秘めた心だから
なぜ相手を決めてかかるの
なぜ相手を知ろうとしないの
私はそれが哀しい
哀しみは海の中
とても暗くて
希望は見えてこない
それが真実
「これは・・・」
アルナスは、リシテアール司令室で驚愕していた。
「全軍の神波動値・・・
格段に上昇していますにゃ!」
サーシャが、計測モニターを見ている。
「各所から報告が!
これは、ヘクセンティアールのテティス殿下の歌と判明!
受信していないはずの場所でも、観測されていますにゃ!」
キティルハルムの艦橋・・・
「お魚のお姫様のお歌なの!」
「はい。
こちら側の戦闘員は、神波動の性質に関係なく、値が上昇しています!」
アルムスがユニィに補足した。
「!!!
陛下の機体からも・・・!
歌っておられる!」
喜びは光の下
とても明るくて
強要することは
きっと愛じゃない
そのとき・・・
流星雨の加速が、明らかに強まった。
「消えなさい!過去の亡霊!」
歌は、全てを救うのか・・・?




