第259話 側にいた者同士
「ところで、「絶食系」って、なんでストーカーを受け付けないか、知ってるかな?」
実験用マウス一号が、イリアに尋ねる。
「まあな。」
二人とも、回避と反撃をしつつ会話している。
器用だ。
「そういう人は、自分に嫌いなところがある人、あるいは自分が嫌いな人が多いらしい。
そこを褒めたり、「好き」と言ったりするから、「こいつ、最低だな。」と思ってしまうんだ。」
「よく知ってるねぇ〜
女王陛下って、誉められるとキレるタイプ?」
「まあね。」
「でも、君・・・
よく、女王陛下に近づいたね。」
「一目ぼれだった。
気がついたら、尻尾が立っていて、声をかけていた。
総合導師になるための勉強に、興味があるらしかったから、そのネタで話した。
気がつけば、僕も一緒に研究するのが、楽しくなっていた。
ミリアム様曰く、「絶食系のオタク」のハートをわしづかみにするには、「共通の話題で盛り上がる」ことらしい。」
「彼には、それがなかったよ。
ご主人様をやたら褒めてばっかり。
かと思ったら、休ませようとするご主人様をデートに誘おうとしていたし・・・」
「そういうタイプの絶食系は、相手に金を使わせたくないようだ。」
バキッ!
イリアの機体のステッキが、折れた。
「そろそろ、買い換えようと思っていたんだ。」
「物持ちがいいねえ・・・」
イリアは、神波動剣を抜く。
「さあ・・・やるか!」
「そうだね!」
イリアの機体のステッキは、「猫男爵の人形」の持ち物からです。




