第257話 愛と生命の女神の怒り
かつて、リシテアールがまだそう呼ばれなかった頃・・・
竜神から、竜族が生まれ始め、原初の竜神が崩御した頃・・・
ルカは、高霊族の王ラティアスに予言を下した。
しかし、息子のアールヴが、犯した愚行故に、滅びたのだ。
「ただね・・・
エルフだけでなく、獣人族も、高霊族の血を受け継いでいるんだよね・・・」
「それが、どうかされたか?」
「・・・」
あまりにも、無神経な返答に、ルカは、腹をたてていた。
リシテアール指令室では・・・
実験用マウス二号が、「夫」の胸ポケットから、飛び出し、床に着地する。
「あの人・・・
自分勝手ですね・・・」
「ああ。
だから、「二重のギロチン」で処刑された。」
アルナスの説明で、実験用マウス二号は、青ざめた。
「キティルハルムの女王陛下が、四重のギロチンを持っておられました・・・」
「くくく・・・
ミリアム女王は、そういうことをする方だ。
現代における「変人君主」だよ。」
「あなた様も、人の事は言えないでしょう・・・」
「だろうな・・・
「今度は、なに作ったクソババア!」と言う、娘に対して「ああ・・・なんという親孝行な娘なんだろう!」と思ってしまう女だからな私は。」
二人の会話を聞きつつ、実験用マウス一号はぽそりと言う。
「ルカ神・・・
そうとう、おかんむりのようだぞ・・・」
「予言」を都合よく解釈された女神様は、お怒りなのです。




