第25話 結婚式2
「本日、満十三歳になられたキティルハルム王太子ミリアリア・キティルハルム姫に置かれましては、このたび補佐官イリア様とめでたく婚儀を・・・」
アトランティアで、最初の女性教皇となったリアエーヌ二世だが、評議員たち・・・
特に商工ギルドマスターであるアリシアは、好印象を持ってはいなかった。
アトランティアの主神は、聖鳳凰・・・
すなわち、ミケランジェロ家初代とケンカした神なのである。
ちなみに、評議員とは・・・
女王または王、
女王補佐官または王妃、
王太子、
王太子補佐官または王太子妃、
宰相、
商工ギルドマスター、
建築ギルドマスター、
財務長官、
国防長官、
錬金術ギルドマスター、
科学長官、
考古長官、
医療総官以上の評議員からなる。
時代や技術の変遷で増減することもある。
ただ、絶対権力者に思われる女王だが、議題に対して女王だけ反対票を投じても、他の圧倒的多数が賛成票を投じた場合、可決となる。
キティルハルムでは、「絶対王権」ではなく、「評議会制」であり、あくまで王家は「キティルハルム」という家の「当主」というのが、国民の意識である。
話を戻すと、代々の商工ギルドマスターは、国家イベントを主催した実績があるため、「仇の神の神官」に牛耳られるのは、非常におもしろくないのだ。
しかし・・・
まじめに聞いているのは、ティアムル家の人々だけで、ライテス家の人々は、仏頂面か苦笑いだ。
ティアムル家は、家の歴史からして真面目な人が多い。
ライテス家は、仕事やモラルに厳しいが、相応の仕事をしたがらない。
ありゃあ・・・
海人の王様のヘクセンティアール王や邪馬台国皇帝なんて居眠りぶっこいていらっしゃる・・・
金竜王は・・・
すげぇッ!
あれが、伝説の超奥義・「目を開けたまま居眠り」か!?
前世でついぞ見ることはできなかったが、転生先のここで見るとは!
いや・・・「てめえの結婚式だろ!?」って突っ込まれそうだけどさ・・・
登場人物5
教皇リアエーヌ二世
エルフで、アトランティア法国の教皇で女性。
初代教皇が原因の、キティルハルムとの確執をなくそうと努力している。