第24話 結婚式1
通例では、ノワールオオウナギをメインとした「闇鍋」で騒ぎ、会食するだけの「結婚式・披露宴」だが、ここ数代では、事情が変わってきている。
他にも、バイキング形式の料理や、飲み物が振舞われ、各国の王侯貴族や著名人が集まっている。
中でも、際立っているのが勇者を代々輩出している「ティアムル家」と、錬金術師・科学導師・騎士を輩出している「ライテス家」だ。
ティアムル家の一族は、出すぎたマネをする人はいない。
なぜか。
一時期、「光の勇者」を代々出した一族の名にこだわり、エリート意識が高まりすぎて、「闇の大魔王」を誕生させてしまい、彼は「勇者の一族」から生まれた魔王と称された。
直接の原因は、母親の行き過ぎた英才教育に耐え切れず、この世界の「愛」を憎んだためといわれている。
そのため、彼らは教育に際して細心の注意を払うようになった。
仕事は真面目にするが、自分で出すぎたマネをするのが嫌いなのだ。
地球の日本にも、こんな傾向あったなあ・・・
ライテス家は、そのティアムル家の分家の分家。
総合導師ライテスの一族だ。
初代のライテス以降、常に栄光と名声を嫌っていた一族だ。
ティアムル家の錬金術師と共に、多くの発明を成した錬金術師や科学導師が軒を連ねている。
もしも、初代のライテスが望めば「世界王」となったかもしれないが、歴代の当主の性格からして「余計な名声」は望んでいないようだ。
ゆえに、代々、官僚は出していても議員は出していないらしい。
また、代々の国連事務総長にはライテス家の当主が就くが、そのたびに彼らのセリフは「嫌だなァ・・・」というのがお決まりだとか。
そんなことを考えていると、アトランティアの教皇リアエーヌ二世が、天を仰いだ。
「始まるにゃ・・・連中は堅苦しいにゃ・・・」
アリシアが、ぼやいた。
「あの国には、恨みはもうないにゃ。けど、なんだかんだとうるさいにゃ。」
余談だが、ミケランジェロ家は代々数代前までキティルハルムの祭祀の一族だった。
トラルティールの、「ティアムル家」は、ある代からあまり前に出ません。




