第243話 窮鼠、「ヘン」に救われる?
「なにいっ!?
ウォルスト君とファレス君が、横から攻撃を受けてるって!?」
カピバラになった実験用マウス一号は、旗艦「カピバラン」の艦橋で、悲鳴をあげた。
「トラルティールの隠密戦術隊が、これないって言ってますぅ!」
実験用マウス二号が、悲鳴をあげる。
「くそっ!
まだ死にたくない!
っていうか、最近目覚めたこの未練・・・
散らせたくない!
この感情を研究せずに終われるか!」
これでも、彼は科学導師にして錬金術師なのだ。
しかし・・・
「戦闘用十五号の艦・戦艦ネズミ五号が、持ち直しました!」
「ウォルスト様とファレン様の艦隊に、トラルティールの隠密戦術隊が合流・・・
えっ!?」
「ど・・・どうしたい!?」
口ごもった、実験用マウス二号に聞く実験用マウス一号。
「た・・・」
「た?」
「竹槍を持った、魔装騎士と、三機の高速で移動する魔装騎士・・・
兎型の魔装騎士が、我が艦隊に接触・・・
援護を開始しています・・・」
報告が棒読みである。
「は・・・はは・・・
かつての戦いでもいたっけ・・・
こんなけったいな奴ら・・・
今度は、「敵」でなくてよかった・・・」
助かったのに、釈然としない・・・
「ぱ・・・
パンダがいたんだっけな・・・」
そして、「援軍」の上官は「娘」に突っ込まれるのです。




