第229話 ファルス覚醒!
「神波動炉フルドライブ!」
グレートファルスの背から二つ伸びるスラスターから、炎のように神波動がほとばしった。
「くくく・・・
この機体の改良点は、意志伝達と神波動変換効率の改善にある!」
言ってみれば、ミリアムの発想と同じと言える。
「極寒の吹雪!」
身の危険を、今更ながら感じたリリエラは、機体を介して魔法を放つ。
しかし・・・
グレートファルスは、ゆらいですらいない。
「くくく・・・
宇宙空間は、極寒の世界・・・
「本体」ならいざしらず・・・
「機体」に納まっているオレが、氷漬けになるとでも思ったか?」
そう。
宇宙空間では、凍結に至らなければ、機動に問題はないのだ。
「いけ!
神波動狙撃砲!」
グレートファルスから、無数の小型砲台が射出される。
これは、ミリアムが開発した神波動狙撃翼と同一の物だ。
「えっ・・・こ・・・これは・・・!?」
リリエラは、ファルスの神波動の変質に気づいていた。
「これは・・・
ラ・・・光流神波動・・・!?」
そう・・・
ファルスは、暗黒神波動と光流神波動の合成を始めていたのだ。
「大魔王ファルスは・・・
私を再び・・・
リリエラ艦隊!
ファルス艦隊を・・・って・・・」
リリエラ艦隊は、マリカ、シルヴィア、カサンドラ率いるファルス艦隊に攻撃を受けていたのだ。
「ついに覚醒したぞ!
混沌神波動・・・!
ふははは!
闇に堕ちたからと言って、堕ちっぱなしでなくてもいいということか!」
ファルス:逆もまた真なり!




