第225話 艦隊
「これより、作戦会議を始めます。」
壇上にあがったのは、国連事務総長クラディス・ライテスだった。
「まずは、トラルティール艦隊と邪馬台国艦隊で側面を攻撃。
正面を、キティルハルム艦隊、ラムンセン艦隊、エルフィーラ艦隊、ヘクセンティアール艦隊で叩きます。」
そう簡単にいくだろうか・・・
私は、そう思う・・・
思えば、私は一個艦隊だけで、勝っている。
そのことが、油断を生んでいるのかも・・・
会議が終わり、私は機関キティルハルムに向かう。
「戦況は、生き物・・・
どうとでも変るわ・・・」
恐らく、この艦はその状況をひっくり返された時のための保険だ。
国連軍の立場としては、各国軍の旗艦の撃沈だけは避けたいだろう。
なにせ、その最高司令官たちは、「王」クラスなのだから・・・
私は、戦艦キティルハルムの女王席に腰を降ろす。
「キティルハルム宇宙艦隊発進!」
旗艦キティルハルムに追随して、戦艦五隻、巡洋艦八隻、駆逐艦十隻が宇宙に進み出る。
この艦隊の目玉は、盾艦である。
攻撃を受けた際、神波動盾、電磁結界を展開し、防御にあたる。
開発の動機は、「護衛艦?名前負けだよ!完全に「盾」にしてしまえばいい!」と、科学長官が言ったからだ。
新任の科学長官ファクトリア・・・
やっぱり、リシテアールの人間には「イージス艦」理論は無意味だろう・・・
盾艦「シールドかん」
通常より強力な、神波動盾を展開。
艦隊を防御する。
イージス艦が、「早期警戒」を重点においているのに対し、これは「力技」で「守る」ことに重点をおいている。




