第221話 猫の国のお茶会
「このネズミ・・・
どう見ても、大魔王の子よね・・・」
アリスが、テーブルの上で紅茶を飲む発光業務用マウスを見る。
「いやあ・・・
スノーエンブレム社の、スライムチーズってイケてるねえ。」
「ウチの国の、ブランドなの!」
普通に会話をしている、猫の姫とネズミ・・・
「カオスだよねえ・・・」
風流に、紅茶を飲むチェシャ猫さん・・・
いつ現れた!?
「なんか・・・
この人・・・
どっかで逢ったような・・・」
「むふふ・・・」
す~っと彼女の姿が、うっすらと消えていく・・・
「!!!」
そして、気づくとアリスの背後に・・・
「ざ・・・残像よ!
でなければ、なんかの瞬間移動よ!」
「いいの?
なんでも理屈で解決できるものじゃないわ。」
にた~っと笑う。
「あ・・・ありえない・・・
物理的にも、魔法的にも・・・」
腰を抜かしている・・・
おもしろいなー・・・
この状況・・・
「くくく・・・
ぜーんぶ、科学的に解決できると思ったら、大間違いよぉ・・・!」
背後に出現したチェシャ猫さんは、次に右側に出現。
おもしろい・・・
「ほほお・・・
女王陛下・・・
これは、地球の童話・「不思議の国のアリス」の再現ですかな?」
エテが、上品に紅茶を飲みながら聞く。
「ええ。」
「確か、アレには「猫」「ネズミ」「ウサギ」がいたが・・・
「猿」は、おらんかったぞ。」
「細かいことはいいでしょう。」
「そうであるな。
妻や部下どもにいい土産話ができたわ!
かっかか!」
エテは、笑った。
「笑うトコなの!?」
「残念ながら、そうじゃ。」
どうやら、このウサギ・・・
エテ機関長に、からかいのネタにされているようだ。
スノーエンブレム社
ミケランジェロ一族が手掛ける、乳製品の大手。
実験用マウス二号の「尋問」に使用された「ヨーグルト」もここの製品。




