第216話 天空の一族
そこは、竜神族の居城。
二十人の竜神と、鳥の民にして竜神の神官である「鳥人族」の住まう国。
その名を、エルハンドラという。
「大母様・・・
またストリア様が、お忍びでお出かけになられました・・・」
鳥人族の王は、大父。
女王は大母と呼称される。
今代の大母の名は、母なる猛禽・・・
「まったく・・・
今は、キティルハルムの女王陛下がご懐妊していて大変なときだというのに・・・」
「その、キティルハルムにおられるのですよ!」
侍従が慌てる。
「補佐・カイル・・・!
それは、まことですか!」
「は・・・はい・・・」
「まったく・・・数百年ごとに、スイーツを食しに行く、竜神なんてどこにいるのですか!」
ここの竜神です。
母なる猛禽は、巨大な黄金の隼に姿を変える。
「仕方がないので、行ってきますよ・・・」
隼は、大空に羽ばたき、飛んでいく・・・
「まったく・・・
困ったものだ・・・」
エルハンドラは、かつて竜神たちが、改修前のホープメイカーのデータを流用して、建造した浮遊都市である。
そして、鳥人族の最初の大母は、かつて偉大な魔女の使い魔だった。
その魔女には、学術都市から大発展を遂げた国を建国した後の、「最初の猫の女王」がもう一人の使い魔だった。
その、「猫の女王」こそ、「キティルハルム初代女王・ノワール」である。
つまり、このエルハンドラはある意味「キティルハルム」と「姉妹」でもあると言えるのだが・・・
エルハンドラ
魔女エレノラの使い魔の一人である「鳥の魔女」がつくった王国。
また、「竜神」たちの神官も兼ねる民が住む。




