第211話 フット猿
エテという、猿はなかなかダジャレが好きな・・・そして技術者として優秀な男のようだ。
「これを見られよ!」
言いつつ取り出したるものは・・・
「スキー靴?」
パワードスーツか魔装騎士の脚と見まごうものは、まぎれもなくスキー靴・・・
「ちっちっち・・・」
エテは、人差し指を左右に振る。
「これは、我等が脚に装着し、神波動を込めると、わずかながら宙を浮き、リニアモーターカーのごとく高速で疾走できる甲冑よ!
銘を、フット猿MK-Vと言う!」
このネーミングセンスはなんだろう・・・
「プロトタイプは、ライテス卿が開発された!」
「性能はともかく、ネーミングにセンスがないの・・・」
「まったくです・・・」
しかし、エテは「かっかっか!」と笑う。
「そうであるか・・・」
どうせ、怒るか残念だとでも言うのだろうか・・・
「卿もあの世で、さぞやお喜びだろう!」
「「なにィッ!!!」」
「アルナス卿に、度々会ってなさるだろう?
ライテス卿は、性能を称えられるより、趣味をけなされることを喜ばれたお方である!」
ユニィは、アルナスを思い出す・・・
「言ってたの・・・
『ゆくゆくは娘に、今度は何を作った!?クソババア!って、言われるのが夢だ。』って・・・」
「そなたの神経は細いのお・・・
総合導師の娘なら、もちっと、ドン!と構えておれ!」
「猿」に言われた!
「すごいお方よ!
ワシの見立てだが・・・
アルナス卿は、ライテス卿の隔世遺伝よ!」
隔世遺伝
すぐ次代に伝わらずに、だいぶ経ってから発現する遺伝。




