第205話 高機動テルナハル・ガンダール
「パスキールに大使館が完成するまで、この国に滞在なさると?」
「はい。
母も、キティルハルムを気に入っていたようで・・・」
レオルは、応接間で私の出したお茶を飲んでいた。
「しかし・・・
この二枚の画・・・
なんですか?」
やはり気になったか。
「この世界の「平和の女神」が誕生するきっかけになった出来事を描いた画です。
片方は、初代商工ギルドマスターが国から「聖鳳凰」を追い出す画・・・
片方は、彼女と民が和解する画です。」
「ずいぶん正直な画ですね・・・」
レオルの顔が引きつっている。
そりゃそうだろうなあ・・・
だって、かたや塩をぶっ掛けられている画。
かたや、民衆に頭を下げている画だもの・・・
「ところで・・・
私の専用機をお見せしたいのですが・・・」
王宮の整備室に、一騎の魔装騎士があった。
レオルの専用機「GTR-0001ガンダール」だ。
「かつての創造神軍と破壊神軍との戦いに活躍した機動兵器を現代の技術で蘇らせた機体です。」
「風格を感じますね・・・
もし、超魔王との戦いが終わったら、データを取らせていただきたいのだけれど・・・」
「言われると思いました。
上に打診します。」
工学オタクに思われてるんだろうなあ・・・
やがてこれが・・・




