第201話 女王補佐官の紋章
その日、イリアは、自分の専用機の左肩に、なにやら画を描いていた。
「へえ・・・なかなかかわいいわね・・・」
私は、率直にそう思った。
「そうですか?」
そのデザインは、白猫がスーツを着て、杖を持っている画だ。
なんだか、小説家を目指す少女を不思議な世界にいざなう猫人形を思わせる。
「・・・いざ!お供つかまつらん!ってね。」
「地球の古代の騎士は、自分の専用機に、このような紋章を描き、自分が誰なのかを誇示したと聞きます。」
「マーキングエンブレムって奴ね。」
「僕は、ミリアム様のナイトです。」
か・・・かわいい・・・
ああ・・・
私の亭主は、なんてかわいいんだ!
「そうだ!
家の紋章・・・もしくは階級のある騎士に、魔装騎士に描く紋章を決める権利をあたえませんか?」
いいなそれ!
私のオタク魂が、燃え上がった。
「いいじゃない!
みんなの士気があがるわよ!」
意外と、地球のサブカルは、浸透している。
「まあ、ウチの旗艦にも「紋章」が描かれているくらいだし。」
そういえば・・・
「意外と浸透しているのは、邪馬台国ね・・・
もともと、集団戦において、紋章を掲げた将やその従者がいたようだし。」
「フフ・・・旧き因習となめられるものではないですね。」
早速、国防長官に提案しにいこう。
これは・・・
いいものだ!




