第2035話 帰路
そこからはまた、巨大な絨毯を準備し、一直線に城へ。
片道三時間の旅である。
今は、何と6日目の夜6時。
明日は朝から女性陣の皆さんは、エステが始まる・・・。
「にゃぁ~・・・
楽しかったにゃ!」
人間化が進み、飼い主と遊びまくった猫のごとく、満足げなナキ。
「えぇ、このレインボーアイアント・・・
少しだけですが、取れたのは良かったです・・・」
私は、総合導師。
生物学者の顔も持っている。
そこ!
ビミョーな顔すんな!
極地で、クジラとクラーケンの調査もしてるんだぞ!
とはいえ、レインボーアイアント100体くらい狩れたのは、すごかったらしい。
ファイさんいわく、レインボーアイアントは一体狩れたら、褒賞で貴族になれるくらいの価値があるそうで、是非とも王家に少し献上して欲しいと言っていた。
リシテアールでは、そんなに狩ったら、絶滅を心配しそうなところだ。
「あっ!
忘れてたにゃ!
チェスの駒、献上するんだったにゃ!」
「ナキ・・・
あんた、自分が作ってる作品を、普通忘れる?」
こいつ・・・
珍しいモノ作ってると思ったら、コレだ・・・
この世界には珍しい「アルミニウム」を使用したのは、目の付け所がよかったが・・・
昔からこいつは、どっか抜けている。
レインボーアイアントの素材かあ・・・
そういうのは、科学技術や錬金術でいくらでも、生産が利く。
しかも、工場でだ。
なので、いくらか献上・譲渡することとした。
ファイさんによると、その資産だけで貴族に昇格できるほどだというが・・・
「にゃー、アイアントの狩りが楽しすぎたにゃ・・・
チェスセットは記憶の彼方にゃ!」
にゃははは~☆
笑って誤魔化してた。
何て、穏やかに会話してても、勿論、ここは外。
更には、空の上な訳で。
「サキ様、恐らくはブラックバードの群れと遭遇したみたいです」
ファイさんの嫌そうな顔が、うっすら見える。見鬼の才というそうだ。
まぁ、幽霊が見えることを言うのだが・・・
咲希は更に、夜目が効くタイプみたいだ。
だから、月明かりさえあれば、結構見える。
幸い、今は綺麗な夜空。更には明るい月明かり。
この世界の方々は、夜目が普通に効くみたいだ。
だから気付いた皆さんも、臨戦体制なんだけど・・・。
しかし・・・
我らキティルハルムの民を、なんだと心得る?
「猫」だぞ?
「お二方、お願いしても?」
咲希の要請に、私は目を光らせた。




