第2034話 フルコンプリートならず・・・
「さて、皆様、攻略はこの辺りで終わりとなります。
タイムアップです。」
「にゃ~ッ!?」
「そ・・・
そんな・・・ッ!
あと少しで、フルコンプリートだったのに!」
ファイさんの言葉に、私とナキさんは愕然とした。
でも、これから帰るのを考えたら、かなり時間がかかると思うだろう。
リシテアールでは、こういう場合は、「瞬間移動」や「空間転移」の魔法を使うが。
「明日は朝から女性の皆さんは、大変ですからね。
早く帰ってゆっくりすべきですよ。」
しかし、咲希は「???」という表情をしている。
「明日は、帰還のパーティーですよ?
終わったら、お二人は神殿へ向かう筈でしょう・・・」
呆れたように言われて、あたしも思い出す。
あ、そんなの予定にあったなぁと。
忘れてたーッ!
・・・・・楽しい時間ほど、あっという間に過ぎていくものだ・・・
「このまま歩いて帰るの?」
思わず、この先の展開が分からないため咲希が聞く。
ファイさんや騎士の皆さん、そして和磨にまで、可哀想な子を見る目で見られたようだ。
「説明されたでしょ?
咲希さん、帰還の巻物を使うんだよ。」
帰還の巻か・・・
「リシテアールでは、ここの空間と入口の空間を瞬時に「一部」だけ入れ替えるにゃ。
宇宙艦隊のワープ航法にも使われる「空間転移魔法」にゃ。
コストのムダにゃ。」
「黙れ!」
私は、「1豚」と書かれた金属製のブタの置物で、ナキの頭を殴った。
無論、破損したのは置物のほうだが。
「聞いてなかったでしょ!?
これで、入り口まで帰るんだよ。」
と、和麿。
「咲希さん、入り口で説明したよ!?
・・・もしかして、エリエンヌ様が来たから、聞いてなかったとか?」
どうやら、エリアンヌ姫に意識を持っていかれて、聞いていなかったらしい。
「取り敢えず、帰りましょう。」
ファイさんのため息と共に、『帰還』となり、気付けば一瞬で、あの入り口まで戻って来たのだった。




