第18話 武術
「だりゃあああッ!」
私は、ナキの横っ腹に尻尾をぶつける。
「にゃあああッ!」
それをナキが、左腕で払い、右回し蹴りを放つ。
「はあッ!」
私は、左腕で受け流し、右足を狙う・・・と・・・
「そこまで!」
ケティ先生の制止で、組み手は終わる。
「にゃあああ・・・姫様強いにゃあああ・・・」
「違うな!
ナキが「弱い」!
姫様は、相手の「神波動」「気」「魔法力」の流れを読み、五感と未来予測で簡単な作戦を随時組み立てて対応している!
お前は、ただ「見て」、「勘」で対応しているだけ!」
「にゃにゃッ?
それじゃ、まるっきり獣にゃ!」
「そういっている。」
すると、イリアが、進み出た。
「姫様とやるか?」
「はい!」
私とイリアは、構える。
「「はッ!」」
私とイリアの神波動が、高まる。
「「だああああああああッ!」」
私の右拳をイリアが、左腕で払い、
イリアの右拳を私が、左腕で払っていた。
間違いない。
互いに、動きを「読んでいる」。
「そこまで!」
なんだか、ドラ○ンボールでの主人公とヒロインの「デート」の意味がちょっとだけわかった気がした。
イリアの目が、妙に潤んでいる。
うーん・・・
ファンタジーで、命のやりとりをした男女が、恋に落ちるってのがなんとなくわかった。
人猫は、尻尾を使った体術が得意です。
たまに、両手両足に次ぐ、第五の「武器」として使うことも。