第179話 いい加減にしろ!
「この売女が!」
ファルスは、リリエラを憎悪を隠さずに罵った。
「愛の告白にしては、強烈ですわ。」
「貴様のような尻軽女を、個人的な理由で側に置いたつもりはねえ!」
リリエラは、しきりにフラグを立てようとするが、ファルスが片っ端からへし折っていた。
「仲がいいのね。」
アベックを、蛇蠍のように嫌うミュウが言う。
「そう見えますか?
ファルス様は、本音から迷惑そうにされていますが・・・」
実戦用二号が、ファルスを見た。
「あれは、単なるストーカーとお見受けします。」
実戦用二号から見れば、リリエラは「嫌いな種族」である。
バキッ!
ファルスが、抱きついてこようとしたリリエラの右腕を、一撃で砕いた。
「ああ!ファルス様の愛が痛い!」
「ムカついたから、やっただけだ!」
明らかに、怒気を放っている。
「殺されても治らねえとはな!」
「こんな調子だったんですか?」
「ええ。」
生産用マウス五号が、ファルスの助手の魔王マリカに声をかけた。
「まったく、バカは死んでも治らないとは、本当だったのね。」
魔王シルフィアが、呆れ返る。
「困ったことね・・・「それ以外」が楽しいのに。」
「わからないのよ・・・好きな人が、「恋愛」が嫌いなら合わせるのが筋でしょ・・・」
魔王エリシスは、ナンモナイトクッキーをかじる。
この三人は、ファルスが科学導師時代からの助手である。
リリエラの腕が再生していく。
無詠唱で、回復魔法をかけたようだ。
「まさか、「こじらせて」ライテスの頃、「人間の身体を捨てた」んですか?」
生産用マウス五号が、ファルスに尋ねた。
「まあな。
自分の身体が「生物」だったのが嫌になっちまってな。
ネズミの奴に・・・
お前らの親父さんに「不死の法」をもらったんで、ちょっとアレンジして使ったんだ。」
「でも・・・
女の子と、「そういう」話題・・・
ダメですか?」
「世間話をするのがいいんだ。
リリエラの奴・・・
ぶっ殺されてもわからなかったらしい・・・」
ファルスの絶食は、変らなそうだ。
ファルスが、アンドロイドであるのは、絶食系だからです。




